オクトレオスキャン静注用セット


作成又は改訂年月

2015年9月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

874300

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
1994年2月

薬効分類名

放射性医薬品

承認等

販売名
オクトレオスキャン静注用セット

販売名コード

4300452G1026

承認・許可番号

承認番号
22700AMX01025
商標名
Octreoscan Injection

薬価基準収載年月

2015年11月

販売開始年月

2016年1月

貯法・使用期限等

貯法
(1)遮光・2〜8℃保存
(2)放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存
有効期間
検定日時から24時間

規制区分

処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること。

組成

本品はバイアルA及びバイアルBの2バイアルにて構成される。
バイアルA:放射性医薬品基準塩化インジウム(111In)溶液(ペンテトレオチド用)
容量1.1mL
塩化インジウム(111In)122MBq(検定日時)
添加物
塩化第二鉄4〜8μg、塩酸適量
バイアルB:注射用ペンテトレオチド
ペンテトレオチド10μg
添加物
ゲンチジン酸2mg、クエン酸ナトリウム水和物5.6mg、クエン酸水和物0.40mg、イノシトール10mg

性状

バイアルA:放射性医薬品基準塩化インジウム(111In)溶液(ペンテトレオチド用)
外観
無色澄明の液
バイアルB:注射用ペンテトレオチド
外観
白色の粉末又は塊
調製後注射液
インジウムペンテトレオチド(111In)注射液

外観
無色澄明の液
pH
3.0〜5.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約0.6

一般的名称

インジウムペンテトレオチド(111In)注射液 調製用

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果/用法及び用量

神経内分泌腫瘍の診断におけるソマトスタチン受容体シンチグラフィ

効能又は効果に関連する使用上の注意

神経内分泌腫瘍(NET)であってもソマトスタチン受容体(SSTR)を発現していない場合は検出できないことに留意すること。また、インスリノーマについてはSSTRの発現が他のNETに比べて少ないため、本剤により検出できない場合があることに留意すること(【臨床成績】の項参照)。

用法及び用量

1.
インジウムペンテトレオチド(111In)注射液の調製
バイアルAの全量をバイアルBに加えて振り混ぜた後、常温で30分間放置する。
2.
ソマトスタチン受容体シンチグラフィ
通常、成人には本品111MBqを静脈内投与し、4時間後及び24時間後にガンマカメラを用いてシンチグラムを得る。必要に応じて、48時間後にもシンチグラムを得る。投与量は、患者の状態により適宜増減する。
必要に応じて、断層像を追加する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
腎機能障害を有する患者〔本剤は主に尿中に排泄されるため、被曝線量が増加する可能性がある(【薬物動態】の項参照)。〕

重要な基本的注意

1.
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
2.
オクトレオチド酢酸塩等のソマトスタチンアナログによる治療が行われている患者においては、本剤の腫瘍への集積が抑制され、診断能に影響を及ぼす可能性が考えられるため、オクトレオチド酢酸塩等の休薬を検討することが望ましい。なお、休薬することにより離脱症状が発現する可能性があるので、休薬の要否及び休薬期間は、患者の状態及び使用製剤を考慮して決めること。休薬する場合は、患者の症状の変化に十分注意すること。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認前の臨床試験における安全性評価対象症例(国内第III相試験+国内追加第III相試験)63例中、副作用は7例(11.1%)8件に認められ、主な副作用は、潮紅2件(3.2%)、ほてり2件(3.2%)であった。
また、海外で行われた臨床試験における安全性評価対象症例365例中、副作用は1例(0.3%)に潮紅、頭痛、各1件が認められた。

その他の副作用

1.
精神・神経系
0.1〜5%
頭痛

2.
血管障害
0.1〜5%
潮紅、ほてり

3.
その他
0.1〜5%
熱感、ALT増加、AST増加
以上のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、原則として投与しないことが望ましいが、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

適用上の注意

1.
調製時
調製にあたっては、バイアルA以外の塩化インジウム(111In)を使用しないこと。
2.
調製後
調製後の注射液は25℃以下で保存し、6時間以内に投与すること。
3.
その他
膀胱部の被曝を軽減させるため、投与後できるだけ患者に水分を摂取させ、排尿させることが望ましい。

薬物動態

1.
血中放射能濃度及び尿中排泄1)
国内の健康成人男性4名にインジウムペンテトレオチド(111In)注射液111MBqを静脈内に単回投与した時、血漿中放射能濃度は二相性の消失を示し、分布半減期(t1/2α)及び消失半減期(t1/2β)は、それぞれ9.2±8.0分及び2.2±0.4時間であった。分布容積(V)は0.25±0.05L/kgであり、細胞外液量にほぼ一致した。血球中への移行は時間の経過にかかわらず、ほとんど認められなかった。
投与後6時間及び24時間までの放射能としての尿中累積排泄率は、それぞれ59.1±6.5%dose及び73.0±8.3%doseであり、急速な尿中への排泄が確認された。腎クリアランス(92±24mL/min)は全身クリアランス(82±12mL/min)とほぼ等しく、腎からの排泄が主要排泄経路であることが示された。
2.
吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。

臓器吸収線量(mGy/MBq)
副腎0.03
0.02
胸部0.02
胆嚢0.05
大腸下部0.08
小腸0.04
0.04
大腸上部0.05
心臓0.03
腎臓0.30
肝臓0.07
0.03
筋肉0.03
卵巣0.05
膵臓0.06
骨髄0.03
0.04
皮膚0.02
脾臓0.29
精巣0.03
胸腺0.02
甲状腺0.02
膀胱0.34
子宮0.06

臨床成績

<国内第III相臨床試験>2)
III相臨床試験では、CT、MRI等の事前の画像診断により腫瘍の局在部位が確認されている消化管ホルモン産生腫瘍患者23名にインジウムペンテトレオチド(111In)注射液を投与し、有効性、安全性及び有用性を評価した。その結果、症例毎の診断能の評価では、有効性評価対象21名中16名(76.2%)が「有効」(他の画像診断との比較で、本検査で少なくとも1つの真陽性部位が検出された)と判定された。また、部位毎の診断能の評価では、他の画像診断との一致率は82.0%(41/50部位)であった。(表1参照)
<国内追加第III相臨床試験>3)
追加第III相臨床試験では、消化管ホルモン産生腫瘍の疑いのある患者40名にインジウムペンテトレオチド(111In)注射液を投与し、有効性、安全性及び有用性を評価した。組み入れ対象は、内分泌活性があり、直近1箇月以内のCT及び他の画像診断法のいずれかで腫瘍病巣の存在が確認され、消化管ホルモン産生腫瘍が疑われる患者(A群)と、内分泌活性があり、消化管ホルモン産生腫瘍の存在が疑われるが、直近1箇月以内のCT及び他の画像診断法で腫瘍病巣の存在・局在が確認できないか、確定できない患者(B群)とした。その結果、症例毎の診断能の評価では、A群では有効性評価対象16名中15名(93.8%)、B群では有効性評価対象19名中5名(26.3%)が「陽性」(他の画像診断との比較で、本検査で少なくとも1つの真陽性部位が検出された)と判定された。また、部位毎の診断能の評価では、真陽性及び真陰性の比率はA群で83.3%(20/24部位)、B群で41.7%(5/12部位)であった。(表2参照)

表1 症例毎の診断能(国内第III相臨床試験)

疾患名被験者数有効無効判定不能有効率(%)
カルチノイド108208/10(80.0)
ガストリノーマ66006/6(100.0)
インスリノーマ52302/5(40.0)
合計21165016/21(76.2)
※真陰性と判定されたカルチノイド及びガストリノーマの各1名は「有効」に含めた。

表2 症例毎の診断能(国内追加第III相臨床試験)

登録群疾患名被験者数陽性陰性判定不能陽性の比率(%)
A群ガストリノーマ87017/8(87.5)
A群インスリノーマ44004/4(100.0)
A群カルチノイド22002/2(100.0)
A群その他※22002/2(100.0)
A群16150115/16(93.8)
B群ガストリノーマ73133/7(42.9)
B群インスリノーマ70160/7(0.0)
B群カルチノイド42112/4(50.0)
B群その他※10010/1(0.0)
B群1953115/19(26.3)
合計合計352031220/35(57.1)
※グルカゴノーマ及びソマトスタチノーマ

薬効薬理

1.
ソマトスタチン受容体への結合性評価4)
インジウムペンテトレオチド(111In)とソマトスタチン受容体(SSTR)の結合は、過剰なオクトレオチドにより90%以上が阻害されたことから、オクトレオチドの構造部位でSSTRに特異的に結合すると考えられた。
2.
SSTRを有する腫瘍移植ラットにおける集積機序及び腫瘍描出能5)
SSTR発現腫瘍移植ラットにおいて、インジウムペンテトレオチド(111In)は静脈内投与直後から腫瘍領域の放射能が上昇し、30分以内にピークに達した。一方、オクトレオチド前処置により、腫瘍領域の放射能は有意に低下したことから、インジウムペンテトレオチド(111In)は投与直後から速やかにSSTRと特異的に結合し、腫瘍へ集積することがin vivoで示された。
静脈内投与後30分及び24時間のガンマカメラ画像を視覚的に比較すると、24時間の方が腫瘍の描出能に優れていた。これは、インジウムペンテトレオチド(111In)が、投与後30分以内に腫瘍のSSTRに結合することにより集積し、受容体に結合しなかったインジウムペンテトレオチド(111In)は主に腎尿路系から速やかに排泄され、腫瘍とバックグラウンドのコントラストが高くなったためと考えられた。
3.
成長ホルモン分泌抑制作用4)
ペンテトレオチド及びインジウムペンテトレオチド(115In)は、ラット下垂体前葉細胞からの成長ホルモン分泌抑制作用が認められたが、その効力はオクトレオチドの約1/10であった。
4.
集積機序
インジウムペンテトレオチド(111In)は、静脈内投与後、SSTRを発現している神経内分泌腫瘍などに特異的に集積し、他組織から速やかに排出されることにより、ガンマカメラ撮像により腫瘍を描出させることが可能と考えられている。

有効成分に関する理化学的知見

1.
ペンテトレオチド
一般名
ペンテトレオチド(Pentetoreotide)〔JAN〕
化学名
(-)-N-[2-[[2-[bis(carboxymethyl)amino]ethyl](carboxymethyl)amino]ethyl]-N-(carboxymethyl)glycyl-D-phenylalanyl-L-cysteinyl-L-phenylalanyl-D-tryptophyl-L-lysyl-L-threonyl-N-[(1R,2R)-2-hydroxy-1-(hydroxymethyl)propyl]-L-cysteinamide,cyclic(3-8)-disulfide
分子式
C63H87N13O19S2
分子量
1394.60
化学構造式
raster
2.
111Inの核物理学的特性
1)
物理的半減期
2.8047日
2)
主なγ線エネルギー
171keV(90.7%)、245keV(94.1%)
3)
減衰表
(下表参照)

経過時間(時間)残存放射能(%)経過時間(時間)残存放射能(%)経過時間(時間)残存放射能(%)
-50167.3-18120.4298.0
-48163.9-16117.9397.0
-46160.6-14115.5496.0
-44157.3-12113.2595.0
-42154.1-10110.8694.0
-40151.0-9109.7793.0
-38147.9-8108.6892.1
-36144.9-7107.5991.1
-34141.9-6106.41090.2
-32139.0-5105.31288.4
-30136.2-4104.21486.6
-28133.4-3103.11684.8
-26130.7-2102.11883.1
-24128.0-1101.02081.4
-22125.40100.02279.7
-20122.9199.02478.1

取扱い上の注意

1.
本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮蔽して行うこと。
2.
本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、またバイアル内を陽圧にしないこと。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

1セット

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
井上登美夫, ほか:核医学 1995;32:511-521
2)
山本和高, ほか:核医学 1995;32:1269-1280
3)
佐賀恒夫, ほか:核医学 2003;40:185-203
4)
Bakker W. H. et al:Life Sciences 1991;49:1583-1591
5)
Bakker W. H. et al:Life Sciences 1991;49:1593-1601

文献請求先

富士フイルムRIファーマ株式会社 製品情報センター
電話番号 0120−50−2620
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
富士フイルムRIファーマ株式会社
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル
輸入先
Mallinckrodt Medical B.V.(オランダ)