アドステロール−I131注射液


作成又は改訂年月

**2012年10月改訂(第8版)
*2011年1月改訂

日本標準商品分類番号

874300

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
1987年9月

薬効分類名

放射性医薬品

承認等

販売名
アドステロール−I131注射液

販売名コード

4300426A1020

承認・許可番号

承認番号
15500AMZ00879
商標名
Adosterol−I 131 Injection

薬価基準収載年月

1980年12月

販売開始年月

1980年6月

貯法・使用期限等

貯法
遮光・4℃以下保存
(本品はなるべく凍結状態で保存した方がよい。)
放射線を安全に遮できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存
有効期間
製造日から2週間
基準名
放射性医薬品基準
ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)注射液

規制区分

処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること。

組成

1バイアル(容量0.5mL)中6β-ヨードメチル-19-ノル-コレスト-5(10)-エン-3β-オール(131I) 18.5MBq(検定日時)
添加物:1バイアル(容量0.5mL)中エタノール 0.008mL、ポリソルベート80 0.016mL、生理食塩液 適量
1バイアル(容量1mL)中6β-ヨードメチル-19-ノル-コレスト-5(10)-エン-3β-オール(131I) 37MBq(検定日時)
添加物:1バイアル(容量1mL)中エタノール 0.016mL、ポリソルベート80 0.032mL、生理食塩液 適量

性状

外観
無色澄明の液
pH
5.5〜7.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約2

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
1.
ヨード過敏症患者。
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人ならびに授乳中の婦人。
3.
副腎疾患が強く疑われる者以外の患者。
4.
18歳未満の者には性腺、ことに卵巣への被曝が多いので投与しないことを原則とする。
5.
**ジスルフィラム、シアナミド、プロカルバジン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)。

効能又は効果/用法及び用量

副腎シンチグラムによる副腎疾患部位の局在診断

用法及び用量

本品に生理食塩液又は注射用水を加えて2倍以上希釈する。
次に、その約18.5MBqを被検者に30秒以上かけてゆっくり静注し、静注7日目以降にプローブ型シンチレーションデテクタースキャナー又はシンチカメラを用いてデテクターを体外より副腎部に向けて走査又は撮影することにより副腎シンチグラムを得る。
なお、年齢、体重により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
1.
薬物過敏症又はアレルギー性体質の患者。
2.
飲酒に対し強い反応を示す患者。[血管迷走神経反応系の副作用があらわれやすい。]

重要な基本的注意

1.
本品はエタノールを1.6v/v%含むので、生理食塩液又は注射用水を用いて2倍以上に希釈し、30秒以上かけてゆっくり投与すること。
2.
本品投与にあたっては、体内で遊離した放射性ヨードが甲状腺に摂取されることを防止するため、適当なヨード剤(例えばルゴール液など)で甲状腺をブロックすること。
3.
副腎及び性腺の被曝が多いので副腎疾患が強く疑われる場合を除いて投与しないこと。
4.
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

相互作用

併用禁忌

(併用しないこと)
薬剤名等
**ジスルフィラム、シアナミド、プロカルバジン塩酸塩
臨床症状・措置方法
これら薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤はエタノールを含有しているため。

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
**N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質(セフメノキシム塩酸塩等)、メトロニダゾール
臨床症状・措置方法
これら薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、悪心、頻脈、多汗、頭痛等)を起こすおそれがある。
機序・危険因子
本剤はエタノールを含有しているため。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認前の臨床試験では、総症例660例中、副作用は9例(1.36%)に認められ、主な副作用は、顔面紅潮、めまいであった。
承認後の使用成績調査では、1,840症例中、副作用は29例(1.58%)に認められ、主な副作用は、顔面紅潮、心悸亢進であった。 (再審査終了時)
以下の副作用は、上記調査において認められたもの、あるいは別途自発的に報告されたものである。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー
まれに(0.1%未満)ショック、血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1.
過敏症
0.1%未満
発疹、発赤

2.
循環器
0.1%〜5%
動悸、顔面紅潮

3.
循環器
0.1%未満
徐脈、頻脈、血圧上昇、顔面蒼白

4.
消化器
0.1%〜5%
嘔気、嘔吐

5.
その他
0.1%〜5%
めまい、頭痛、発汗、息苦しさ、腹部痛

6.
その他
0.1%未満
胸部、背部、腰部等の痛み、顔面・四肢のしびれ、気分不良、不快感、冷汗、脱力、熱感、けいれん、目のちらつき、悪寒

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、原則として投与しないことが望ましいが、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(現在までのところ、十分な臨床試験成績が得られていない)。

その他の注意

1.
便秘症の患者にて副腎イメージと糞便中に排泄された131Iが重なったと考えられる症例があり、注射後、下剤等で排便の促進を行うことを指示した報告がある1)
2.
(社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会の「放射性医薬品副作用事例調査報告」において、ときに血管迷走神経反応(顔面紅潮、動悸など)また、まれに発熱、アレルギー反応(皮膚発赤、発疹など)、その他(眼球充血、胸部痛など)があらわれることがあると報告されている。
また、失神、失禁、心停止を起こした症例が報告されている。2)

薬物動態

本品は副腎に取り込まれ、長く残存する。その集積率は131I-19-ヨードコレステロールに比べ高いと報告されている3)。また、肝臓への集積も認められるが、投与7日後において副腎/バックグランドの比が最も高く、通常、静注後7日目以降にイメージングを行うのが良いとされている4)
また、糖質コルチコイドであるデキサメサゾンの投与によりACTHの分泌が抑制される為、正常あるいは過形成では本品の集積は低下する。一方、腺腫では腫瘍部への集積には変化がないので、腺腫例と正常あるいは過形成との鑑別が可能である4)〜6)

臨床成績

本品の有効性についてのモニター調査の結果、読影できたものを有効例とした場合の有効率(有効例数/症例数)は次のとおりであった。(表1参照)
本品の原発性アルドステロン症の腺腫への集積率はホルモン産生能と腺腫の大きさとに関係すると考えられており、通常、直径が1cm以下の腺腫では診断が困難とされている。また、たとえ直径が1cm以上の場合でも、ホルモン産生能が低い場合、陽性描出不可能な場合がある。

臨床成績の表

表1

疾患名有効例数/症例数有効率
アルドステロン症276/28297.9%
副腎腫瘍179/18397.8%
クッシング症候群153/153100%
高血圧102/102100%
褐色細胞腫80/8198.8%

吸収線量
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。

臓器吸収線量(mGy/18.5MBq)
全身4.4
8.4
肝臓8.0
脾臓8.9
副腎791.2
腎臓4.6
睾丸3.7
卵巣40.3
(自社データ)

有効成分に関する理化学的知見

1.
6β-ヨードメチル-19-ノル-コレスト-5(10)-エン-3β-オール(131I)
分子式
C27H45O131I
分子量
516.66
化学構造式
raster
2.
131Iの核物理学的特性
1)
物理的半減期
8.02070日
2)
主なγ線エネルギー
365keV(81.7%)
3)
主なβ線エネルギー
606keV(89.5%)
4)
β線組織内飛程
2mm
5)
減衰表
(下表参照)

減衰表

経過日数(日)残存放射能(%)経過日数(日)残存放射能(%)経過日数(日)残存放射能(%)
−3129.6850.11919.4
−2118.9945.92017.8
−1109.01042.12116.3
01001138.72214.9
191.71235.52313.7
284.11332.52412.6
377.21429.82511.5
470.81527.42610.6
564.91625.1279.7
659.51723.0288.9
754.61821.1298.2

包装

18.5MBq/0.5mL/バイアル
37MBq/1mL/バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
大橋輝久,ほか:西日本泌尿器科 1978;40:172-179
2)
(社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会:核医学 1979;16:511−516
3)
鴨井逸馬,ほか:日本医学放射線学会雑誌 1976;36:993-1005
4)
川上憲司,ほか:現代の診療 1976;18:607-615
5)
菅原盛家,ほか:核医学 1978;15:1155-1163
6)
藤田 透,ほか:核医学 1980;17:219-227

文献請求先

富士フイルムRIファーマ株式会社 製品情報センター
電話番号 0120-50-2620
*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
富士フイルムRIファーマ株式会社
*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル