塩化タリウム-Tl201注射液


作成又は改訂年月

**2013年12月改訂(第8版)
*2011年1月改訂

日本標準商品分類番号

874300

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
1994年6月

薬効分類名

放射性医薬品

承認等

販売名
塩化タリウム-Tl201注射液

販売名コード

4300432A1042

承認・許可番号

承認番号
20300AMZ01005
商標名
Thallium Chloride-Tl201 Injection

薬価基準収載年月

1991年12月

販売開始年月

1992年2月

貯法・使用期限等

**貯法
室温保存
放射線を安全に遮できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存
有効期間
検定日から3日間
基準名
日本薬局方
塩化タリウム(201Tl)注射液

規制区分

処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること。

組成

1シリンジ(容量1.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液74MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1シリンジ(容量1.5mL)中 塩化タリウム(201Tl)液111MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1シリンジ(容量2.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液148MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1バイアル(容量1.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液74MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1バイアル(容量1.5mL)中 塩化タリウム(201Tl)液111MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1バイアル(容量2.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液148MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1バイアル(容量3.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液222MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1バイアル(容量4.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液296MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量
1バイアル(容量5.0mL)中 塩化タリウム(201Tl)液370MBq(検定日時)
添加物
生理食塩液適量

性状

外観
無色澄明の液
pH
4.0〜8.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1

効能又は効果/用法及び用量

1.
心筋シンチグラフィによる心臓疾患の診断
2.
腫瘍シンチグラフィによる脳腫瘍、甲状腺腫瘍、肺腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍の診断
3.
副甲状腺シンチグラフィによる副甲状腺疾患の診断

用法及び用量

1.
心筋シンチグラフィ
通常、成人には201Tlとして74MBqを肘静脈より投与し、投与後5〜10分よりシンチレーションカメラで正面像、左前斜位像、左側面像を含む多方向におけるシンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法により適宜増減する。
2.
腫瘍シンチグラフィ
通常、成人には201Tlとして脳腫瘍では55.5〜111MBq、甲状腺腫瘍、肺腫瘍、骨・軟部腫瘍及び縦隔腫瘍では55.5〜74MBqを静脈内に投与し、投与後5〜10分よりシンチレーションカメラで被検部を撮像することによりシンチグラムを得る。必要に応じ、投与後約3時間に撮像を行う。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法により適宜増減する。
3.
副甲状腺シンチグラフィ
通常、成人には201Tlとして74MBqを静脈内に投与し、投与後5〜10分よりシンチレーションカメラで被検部を撮像することによりシンチグラムを得る。必要に応じ、甲状腺シンチグラフィによるサブトラクションを行う。
なお、投与量は、年齢、体重及び検査方法により適宜増減する。

用法及び用量に関する説明

シリンジ入り製品使用方法
1)
シールを取り、鉛容器の蓋をはずす。
2)
シリンジが鉛容器に入ったままの状態でプランジャーロッドをねじ込む(図1)。
3)
プランジャーロッドを持って鉛容器から取り出す(図2)。
4)
シリンジの先端のゴムキャップをはずし、両頭針の短い方を取りつける。このとき長針側先端のカット面が投与時に上を向くように取りつける(図3)。
5)
患者に投与する(図4)。
raster
〔注意事項〕
○両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにして下さい。
○シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合があります。注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残りますが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与して下さい。
〔廃棄の方法〕
注射針にカバーをつけた後、針をはずす。次にプランジャーロッドを取りつけた時と逆の方向に回し、取りはずす。
フランジキャップを回して取りはずし、シールドからシリンジを抜取り廃棄する。

使用上の注意

重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認前の臨床試験では、総症例480例中、副作用は認められなかった。
承認後の調査では、6,459症例中、副作用は認められなかった。  (再審査対象外品目)
以下の副作用は、自発的に報告されたものである。

その他の副作用

1.
過敏症
頻度不明
皮膚発赤、多形滲出性紅斑、発疹、小丘疹、蕁麻疹、そう痒感、眼瞼浮腫等

2.
消化器
頻度不明
嘔吐、嘔気

3.
循環器
頻度不明
血圧低下、血圧上昇

4.
呼吸器
頻度不明
喘息様発作

5.
その他
頻度不明
気分不良、潮紅、手足の感覚異常、薬品臭、口内苦味感
※自発報告につき頻度不明

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、原則として投与しないことが望ましいが、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(現在までのところ、十分な臨床試験成績が得られていない)。

適用上の注意

前処置
心筋シンチグラフィを行う場合、心臓と重なる肝臓等への集積増加を防止するため検査前の一食は絶食が望ましい1)

その他の注意

(社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会の「放射性医薬品副作用事例調査報告」において、まれにアレルギー反応(発疹、そう痒感など)があらわれることがあると報告されている。

薬物動態

201Tlは静注後体内においてKとほぼ同様の動態を示し2)、Na-K ATPase系の働きにより速やかに能動的に細胞内に摂取される3)。最も集積の高いのは腎で、心筋周囲臓器では縦隔及び肺が低い集積を示し、肝脾は心筋と同様又はやや低い集積を示す。また201Tlの有効半減期は2.22日である4)。心筋梗塞巣では灌流が顕著に低下しており、細胞質のない膠原線維で置きかえられるためシンチグラム上、放射能の低下又は消失したcold areaとして表現される5)。腫瘍に関しての201Tlの集積機序は不明であるが、腫瘍のvascularityとの関係や、腫瘍親和性があるとされているアルカリ金属に類似していることなどが考えられている6)

臨床成績

臨床試験において臨床診断と一致したものを有効例とし、有効率(有効例数/症例数)を求めた。

臨床成績の表

1.

心筋シンチグラフィ

疾患名有効例数/症例数有効率
心筋梗塞61/6495.3%
心筋症10/1471.4%
虚血性心疾患11/1291.7%
狭心症5/1435.7%
川崎病11/1291.7%
冠不全10/10100%
不整脈8/8100%
右室肥大7/7100%
弁膜性心疾患3/475%
左脚ブロック1/333.3%
先天性心疾患1/333.3%

2.

腫瘍シンチグラフィ7),8)

疾患名有効例数/症例数有効率
脳腫瘍39/4097.5%
骨腫瘍25/2889.3%
軟部腫瘍20/2290.9%
縦隔腫瘍9/9100%

3.

副甲状腺シンチグラフィ9)

疾患名有効例数/症例数有効率
原発性副甲状腺機能亢進症14/1877.8%
二次性副甲状腺機能亢進症32/32100%

吸収線量
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。

臓器吸収線量(mGy/37MBq)
全身1.0
心臓1.7〜3.2
2.1
肝臓1.9
脾臓0.9
腎臓11.8
睾丸2.2
卵巣2.5
(自社データ)

有効成分に関する理化学的知見

1.
塩化タリウム(201Tl)
分子式
201TlCl
分子量
236.45
2.
201Tlの核物理学的特性
201Tlは周期律表第13族に属し、203Tl(p,3n)201Pb反応で生じた201Pbの崩壊(半減期9.4時間)により生成し、同時に生じた他核種から分離して得られる。
1)
物理的半減期
72.912時間
2)
主なγ線エネルギー
70.3keV(73.7% Hg‐Kα)、135keV(2.6%)、167keV(10.0%)
3)
減衰表
(下表参照)

減衰表

経過時間(時間)残存放射能(%)経過時間(時間)残存放射能(%)経過時間(時間)残存放射能(%)
−72198.3496.34863.4
−66187.3694.55261.0
−60176.9892.75658.7
−54167.11090.96056.5
−48157.81289.26454.4
−42149.11487.56852.4
−36140.81685.97250.4
−30133.02082.77648.6
−24125.62479.68046.7
−18118.72876.68445.0
−12112.13273.88843.3
−6105.93671.09241.7
01004068.49640.1
298.14465.810038.6

包装

シリンジ入り:74、111、148MBq
バイアル入り:74、111、148、222、296、370MBq

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
植原敏勇,ほか:画像診断 1985;5:1053‐1057
2)
Kawana M, et al:J Nucl Med 1970;11:333
3)
Britten JS, et al:Biochim Biophys Acta 1968;159:160‐166
4)
分校久志,ほか:Radioisotopes 1976;25:794‐799
5)
岡部真也,ほか:medicina 1977;14:46‐53
6)
利波紀久,ほか:Radioisotopes 1976;25:829‐831
7)
遠藤啓吾,ほか:核医学 1994;31:53‐61
8)
利波紀久,ほか:核医学 1994;31:63‐74
9)
福地 稔,ほか:核医学 1993;30:1481‐1490

文献請求先

富士フイルムRIファーマ株式会社 製品情報センター
電話番号 0120-50-2620
*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
富士フイルムRIファーマ株式会社
*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル