ウルトラテクネカウ


作成又は改訂年月

**2016年4月改訂(第7版)
*2011年1月改訂

日本標準商品分類番号

874300

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
1992年11月

薬効分類名

放射性医薬品

承認等

販売名
ウルトラテクネカウ

販売名コード

4300400X1029

承認・許可番号

承認番号
14800AMY00047
商標名
Ultra-Techne Kow

薬価基準収載年月

1974年2月

販売開始年月

1973年3月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
放射線を安全に遮できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存
有効期間
検定日から12日間
基準名
放射性医薬品基準
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ

規制区分

処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること。

組成

本品は次のものから構成されている。
**1.放射性医薬品基準 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)
注射液ジェネレータ………1個
表示された日時において溶出されるテクネチウム99mとしてそれぞれ次の放射能を含む。
925MBq 1.85GBq2.78GBq3.70GBq4.63GBq5.55GBq 7.40GBq 11.1GBq 14.8GBq 18.5GBq
2.日局 生理食塩液………1瓶(200mL)
3.コレクティングバイアル5又はコレクティングバイアル10又はコレクティングバイアル20………8バイアル(必要時16バイアル添付)
ガラス製の減圧滅菌バイアル
4.溶出用注射針………8本
外径0.9mm 長さ25mmのディスポーザブル注射針
5.溶出用チューブ………2本(必要時添付)
内径約1mm、長さ5〜15cmのシリコン樹脂製チューブの両端に接続具(ポリプロピレン製)を付したもの
6.エリューションシールド………1個(必要時添付)

性状

溶出液(過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液)の性状
無色澄明の水性の注射剤
pH(溶出液(過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液))
4.5〜7.0
浸透圧比(溶出液(過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液))
約1(生理食塩液に対する比)

一般的名称

過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)

効能又は効果/用法及び用量

脳腫瘍及び脳血管障害の診断
甲状腺疾患の診断
唾液腺疾患の診断
異所性胃粘膜疾患の診断
医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用による局所肺換気機能の検査

用法及び用量

<溶出法>
1.
透明カバーを取り外し、溶出口に溶出用注射針を取り付ける。コレクティングバイアルをエリューションシールドに入れ、倒立させて溶出口の上からバイアルのゴム栓に溶出用注射針をつけ根まで差し込む。溶出用レバーを用いて溶出回路を開き、バイアル中に溶出液(過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液)を溶出させる。静置してしばらくすると約5mL、約10mLまたは約20mLの無菌の溶出液が得られる。
溶出操作手順
1)
溶出部の透明カバーを取り外す。
2)
保護キャップを抜く。
3)
溶出口に溶出用注射針を軽く当て、時計回りにゆっくりねじ込みしっかりセット出来たことを確認する。(針カバーは付けたままにする。)
4)
エリューションシールド用ガイドをセットする。(必ず凹部を手前にする。)
5)
コレクティングバイアルのフリップキャップを外す。
6)
コレクティングバイアルを目盛りが見えるようにエリューションシールドに入れ、消毒用アルコールでバイアルのゴム表面をふく。
7)
針カバーを外す。
8)
エリューションシールドを倒立させ、溶出用注射針にバイアルをゆっくり垂直に差し込む。
9)
溶出用レバーを手前に引く。(ミルキング開始)
10)
必要量のミルキングが終わったら、溶出用レバーを「閉」の位置に戻す。(ミルキング終了)
11)
エリューションシールドを抜き取り、針カバーを付け、透明カバーをかぶせて保管する。(必ず溶出用レバーを「閉」にしてからシールドを抜く。溶出用注射針はディスポーザブルなので、次回ミルキング時に取り替える。)
2.
局所肺換気機能の検査(投与法、第5項)のために高い放射能濃度の溶出液を得るときは、次の方法による。
透明カバーを取り外し、溶出口に溶出用チューブの一方を取り付け、他方を容量2〜5mLの注射筒に取り付け、溶出液を約2.2mL吸引し、注射筒を取り外して溶出液をコレクティングバイアルに入れる。
溶出用チューブの他方を容量1mLの別の注射筒に取り付け、溶出液を約0.5mL吸引し、注射筒を取り外す。このうち、必要な放射能を医療機器「テクネガス発生装置」に仕込む。
溶出操作手順
1)
溶出部の透明カバーを取り外す。
2)
保護キャップを抜く。
3)
溶出口に溶出用チューブを軽く当て、時計回りにゆっくりねじ込みしっかりセット出来たことを確認する。(チューブキャップは付けたままにする。)
4)
チューブキャップを外し、容量2〜5mLの注射筒を取り付ける。
5)
溶出用レバーを手前に引く。(ミルキング開始)
6)
溶出液を約2.2mL吸引し、溶出用レバーを「閉」の位置に戻す。吸引した注射筒を取り外し、コレクティングバイアルにいれる。(コレクティングバイアルはエリューションシールドで遮する。)
7)
再度、溶出用チューブに容量1mL用の別の注射筒を取り付ける。
8)
溶出用レバーを手前に引く。
9)
約0.5mL吸引し、このうち、必要な放射能を医療機器「テクネガス発生装置」に仕込む。ウルトラテクネカウの溶出用レバーを「閉」の位置に戻す。(ミルキング終了)
10)
チューブキャップを取り付け溶出用チューブを抜き取る。
11)
溶出用注射針を取り付け、透明カバーをかぶせて保管する。
ウルトラテクネカウのミルキング機構概略図
raster
<投与法>
1.
脳シンチグラフィ
通常、成人には74〜740MBqを静注し、静注後10〜30分までに(やむを得ず経口投与する場合は1〜2時間後に)被検部のシンチグラムを得る。
2.
甲状腺シンチグラフィ/甲状腺摂取率測定
通常、成人には74〜370MBqを静注し、静注後被検部のシンチグラムを得る。同時に甲状腺摂取率を測定する場合には、投与量のカウントと被検部のカウントの比から甲状腺摂取率を測定する。また、7.4〜74MBqを静注することにより、甲状腺摂取率のみを測定することもできる。
3.
唾液腺シンチグラフィ/RIシアログラフィ
通常、成人には185〜555MBqを静注し、静注後被検部のシンチグラムを得る。必要に応じて唾液分泌刺激物による負荷を行い、負荷後のシンチグラムを得る。また、時間放射能曲線を作成することにより、RIシアログラムを得ることもできる。
4.
異所性胃粘膜シンチグラフィ
通常、成人には185〜370MBqを静注し、静注後被検部のシンチグラムを得る。
5.
局所肺換気機能の検査
259〜370MBq/0.1mLを、医療機器「テクネガス発生装置」に仕込み、その用法及び用量に従って使用する。
99mTc-超微粒子を発生させたのち、背部よりガンマカメラを用いて観察しながら吸入させ、可能な場合は深吸気を行なわせ、さらに息こらえを行なわせる。
通常、成人には18.5〜37MBqを肺内に沈着させ、未沈着の99mTc-超微粒子を呼出させたのち、肺シンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重によりそれぞれ適宜増減する。

使用上の注意

重要な基本的注意

診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認前の臨床試験では、総症例646例中、副作用は認められなかった。
承認後の調査では、8,423症例中、副作用は認められなかった。
(再審査対象外品目)
以下の副作用は、自発的に報告されたものである。

その他の副作用

過敏症
0.1%未満
紅斑性皮疹

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には、原則として投与しないことが望ましいが、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること(授乳中の婦人は投与後少なくとも3日間は授乳しない方が良いとの報告がある1))。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(現在までのところ、十分な臨床試験成績が得られていない)。

適用上の注意

吸入時
医療機器「テクネガス発生装置」と組み合わせて用いることによる局所肺換気機能の検査を行う場合、気道抵抗の大きい患者については、安静吸入法を採用すること。また、気道抵抗の大きい患者については呼吸困難に備えて適当な処置法(酸素吸入装置など)を講じておくこと。

その他の注意

1.
膀胱部の被曝を軽減させるため、撮像前後できるだけ患者に水分を摂取させ、排尿させること。
2.
脳シンチグラフィを行う場合、脳底部及び後頭蓋窩の腫瘍については、シンチグラム読影が困難な場合がある。
3.
(社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会の「放射性医薬品副作用事例調査報告」において、まれに血管迷走神経反応、発熱、アレルギー反応(発赤など)などがあらわれることがあると報告されている。

薬物動態

正常人では過テクネチウム酸イオン99mTcO4は、甲状腺、唾液腺、胃粘膜、赤血球、口腔粘膜や筋肉などに集積する。また99mTcO4は通常血液脳関門blood brain barrier(B.B.B.)を通過しないため、脳イメージング像は、正常人では脳実質に放射能の集積がない、いわゆるcold areaとして描出され、脳腫瘍のようにB.B.B.に障害のある患者ではこれを通過して腫瘍組織に高濃度に集積するので、その部位がhot spotとして描出される2)。また、医療機器「テクネガス発生装置」との組合わせ使用による99mTc−超微粒子を吸入させたとき、肺への分布量は全身分布量の91〜95%であり、4時間後でも88〜92%の範囲であった。肺からの放射能消失速度は、生物学的半減期及び有効半減期がそれぞれ135時間、5.75時間であり、肺での高い滞留性が認められた3)
吸収線量
1)
静脈投与
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。(表1参照)
2)
局所肺換気機能の検査(医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用)
MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。(表2参照)

表1吸収線量の表

臓器吸収線量(mGy/37MBq)
全身0.14
0.06
甲状腺2.35
心臓0.07
0.21
肝臓0.16
脾臓0.11
2.30
大腸1.41
腎臓0.07
筋肉0.06
血液0.44
(自社データ)

表2吸収線量の表

臓器吸収線量(mGy/37MBq)
甲状腺0.110
3.986
心臓0.998
0.165
肝臓0.195
脾臓0.180
赤色骨髄0.154
小腸0.109
上部大腸0.085
下部大腸0.073
腎臓0.070
睾丸0.003
膀胱壁0.053
全身0.158
(自社データ)

臨床成績

本品は、以下に示す脳腫瘍、脳血管障害、甲状腺疾患、唾液腺疾患、異所性胃粘膜疾患の診断に有用であることが確認された。
髄膜腫、神経膠芽細胞腫、転移性腫瘍、脳動静脈奇形、硬膜下血腫、甲状腺機能亢進症、び漫性甲状腺腫、結節性甲状腺腫、甲状腺腫瘍、シェーグレン症候群、唾液腺腫瘍、メッケル憩室、ほか。
また、医療機器「テクネガス発生装置」との組合せ使用による局所肺換気機能の検査は、以下に示す呼吸器疾患の局所肺換気機能障害の診断に有用であることが確認された。
肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、び漫性汎細気管支炎、肺線維症、過敏性肺炎、肺サルコイドーシス、塵肺症、肺塞栓症、肺梗塞、肺腫瘍、肺炎、肺結核、ほか。

有効成分に関する理化学的知見

1.
過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)
分子式
Na99mTcO4
分子量
185.99
2.
99Mo・99mTcの核物理学的特性
物理的半減期(99Mo)
65.94時間
主なγ線エネルギー(99Mo)
40.6keV(1.1%)
141keV(82.7%)
181keV(6.0%)
740keV(12.1%)
778keV(4.3%)
物理的半減期(99mTc)
6.015時間
主なγ線エネルギー(99mTc)
141keV(89.1%)
99Moの崩壊曲線及び99mTcの生成曲線>
raster
上図は、99mTc生成曲線に加えて、24時間ごとに生成した99mTcを生理食塩液を用いて100%ミルキングしたときの溶出パターンも併記してある。ミルキング後99mTcの放射能は約23時間で最大になり、この時の99mTcは99Moの約87.7%である(23時間前の99Moの放射能の69%)。
ある時間(t=0)にミルキングを行ない、その後の時間tの99mTcの放射能(AT)は、
raster
で表わされる。
AM99Moの放射能
λT99mTcの崩壊定数=ln2/6.015hr≒0.1152hr−1
λM99Moの崩壊定数=ln2/65.94hr≒0.0105hr−1
t:0時よりの経過時間

<放射能減衰表>

99Mo
物理的半減期 65.94時間
99mTc
物理的半減期 6.015時間
経過日数残存放射能(%)経過時間残存放射能(%)
−4274.30100
−3213.2189.1
−2165.6279.4
−1128.7370.8
0100463.1
177.7556.2
260.4650.1
346.9744.6
436.5839.8
528.3935.4
622.01031.6
717.11128.2
813.31225.1
910.31322.4
108.01419.9
116.21517.8
124.81615.8

取扱い上の注意

重量物のため持ち運びには十分注意すること。

包装

**925MBq 1.85GBq2.78GBq3.70GBq4.63GBq5.55GBq 7.40GBq 11.1GBq 14.8GBq 18.5GBq

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Vagenakis AG, et al:J Nucl Med 1971;12:188
2)
日本公定書協会監修:第十六改正日本薬局方解説書,廣川書店,東京 2011:C1058-1059
3)
川上憲司,ほか:核医学 1990;27:725-733

文献請求先

富士フイルムRIファーマ株式会社 製品情報センター
電話番号 0120-50-2620
*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
富士フイルムRIファーマ株式会社
*〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル